からすこの日記

わたしの大好きな本や映画について紹介するブログです。インターネットの片隅から愛をさけぶ!

"Annie on my mind"

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今回は"Annie on my mind"(Nancy Garden作)を紹介させていただきます。

 

この作品は世代を超えて多くの読者に愛される、十代の青春恋愛小説の古典となっています。ニューヨークに住むある女の子二人が偶然に出会い、お互いを知るなかで恋心が芽生えていきます。

まずは、私がインターネットで"Annie on my mind"のレビューを見ていた時、一番心に残ったもの紹介します。あるアメリカ人女性のCaraさんのお話です。

“I stole Annie On my Mind from my local library in middle school because I was embarrassed to check it out. I hid it under my bed for years and forgot about it, and then I found it again when I was moving to college, after Accepting Myself and Coming Out and Having My First Relationship etc. I snuck it back in to the library so that some other young queer could steal it and that’s seriously one of the moments in my life that still seems the most symbolic and gratifying and cyclical to me. What I’m trying to say is, I love that YA queer books exists and I love that we all read the same ones, even if not all of our names are on the checkout card.”

「中学生のとき、わたしは地元の図書館から"Annie"を盗みました。"Annie"を借りるのが恥ずかしかったからです。何年もそれをベットに下に隠していて、ついには忘れてしまっていました。あるとき、ちゃんと自分自身を受け入れることができて、カミングアウトをし、はじめて好きな人と関係を持つことができました。わたしは"Annie"のことを思い出して、こっそり図書館に返しました。わたしのように、ちょっと変わった(queer:クィア)十代の女の子たちがまた盗むことができるように。(略)"Annie"のような本が存在している、そしてわたし達はみんな同じ本を読んでいるということが本当にすばらしいです。貸し出しカードに名前が書いていなかったとしてもね。」

 

このCaraさんのお話は、"Annie on my mind"に対する一番の賛辞だな〜と思います。主人公のLisaとAnnieは、どこにでもいる普通の女の子。だからこそ、彼女達の運命的な出会いやこっちまで笑顔になってしまうような二人の様子が微笑ましくて、ちょっぴり羨ましくて。二人が直面する困難に対しては、同じように胸が張りさけそうになる。この本は多くの人にとっての「光」なんですよね。1982年に出版され、今では古典という位置づけではありますが、このジャンルの数多くのランキングで常に上位にあります。

 

私にとっても、かけがえのない一冊になっています。この本を通じて、"Annie"を愛するたくさんの人々の体験を知ることができましたし、だれかを愛するすばらしさを感じることができました。

 

ぜひどうぞ!

 

"The Gravity between us"

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記念すべき一冊目!Kristen Zimmerさんの"The Gravity between us"です。

この小説の主人公は、ハリウッド注目の若手女優ケンダルと、彼女の幼なじみのペイトンです。二人は幼い頃からの親友同士です。ハリウッドの映画業界という尋常ではない世界に暮らすケンダルにとって、ペイトンが唯一の避難所、心の支えになっています。ペイトンは彼女に昔からずっと好意を抱いているものの、二人の友情を壊してしまうのではないかと恐れ、なかなかその気持ちを伝えれずに苦しんできました。

 

ある時ペイトンは、ケンダルと共にLAで暮らすことになります。ペイトンの子供の頃からの夢である作曲家になることを実現させるためです。ケンダルとペイトンがお互いを意識をするようになる中、ケンダルの友達の女優が恋のライバルとして現れたり、ケンダルとペイトンがすれ違い始めたり…

 

ほんっとに、どストレートではまってしまいました。物語はケンダルとペイトンが交互に物語っていくので、彼女たちの気持ちは読み手に筒抜け。ずっとニヤニヤしながら読み進めていました。2013年に出版された小説で、二人の会話が生き生きしていて素敵です!お互いにドキドキしている感情も、とっても共感できます。ペイトンがケンダルに自身がゲイであると伝えた後、ケンダルが家に泊まることになった場面では、ケンダルが短いパンツとシャツのパジャマ姿になります。ペイトンの心の声は「発狂するからやめてくれ〜!」笑。

 

男友達をとっかえひっかえしていたケンダルは自分のペイトンに対する気持ちに戸惑ってしまったり、ペイトンは自分には見込みがないものだと思って他の人を好きになろうとしたり。甘酸っぱくって、きゅん!とします。

 

この作品よりも少し前の世代の小説("Carol"や"Annie on my mind")では、主人公たちが家族や周囲の人からの理解に苦しむ、という趣が強かったような感じがしますが、"The Gravity between us"は風通しのよいロサンゼルスが舞台の現代の小説で、とっても爽やかです。アメリカのショービジネス界では、エレン・デジェネレスやジョディ・フォスターといったカッコいい人たちがたくさんいますしね。

ぜひどうぞ!

 

 

ごあいさつ

はじめまして、こんにちは。

このブログでは、自分にとって大切なかけがえのない本を中心にご紹介していきたいと思います。浅学のため、その本の背景にある文化、社会的情勢といったことに関する理解が足りていないことも多いと思います。お気づきになられた点がございましたら、ご指摘いただけると幸いです。